2007年5月例会報告
プレイされたゲーム
- Tempus
- オンスロート(CMJ)
- 悪魔の小瓶
- 1829:Mainline
- ドイツ装甲軍団:マーケットガーデン作戦(CMJ)
- 義経(GJ)
- 上野戦争
プレイの内容
本日のマルチプレイヤーズゲームは、Tempus。
謎の大陸で、石器時代からジェット旅客機の発明まで
文明を発達させる、というゲ
ームです。
文明の曙と、テーマ的には似ていますが
文明の曙と違い、勝利条件は文明を進めることではなく
あくまで、たくさんの領土を獲得し、都市を確保することです。
出来ることはたくさんあるのですが、何を為すべきかについて
合目的判断が出来るようになるには、ある程度慣れが必要なようです。
2回プレイして、2回とも、「出遅れた」と主観的に思われていた
プレイヤーが最後の勝利を獲得していました。
オンスロートは、いつも通りの定番プレイです。
最終ターンにたどり着くことは、残念ながら、出来なかったようです。
悪魔の小瓶は、悪魔の小瓶という小説の寓話にヒントを得た
トリックテーキングゲームです。
テーマ的には面白いのですが、決着が付くまで
あまりに長すぎて、士気崩壊を起こしてしまいました。
(なにしろ、1回の上がりが50もないのに、500以上稼ぐ必要があるのです)
1829は、例によって18XXシリーズの一作
黄色のタイルは無限に引けるルールが判明したことで
全然違う、かなり引き締まったプレイになりました。
おまけ
なにがどうおまけかは、画像をクリックして
拡大図をご覧ください。
わかる人だけ、わかってくれればいいのです。
ちなみに、2卓たって、双方とも、平家の積極的なプレイにより
源氏方が負けてしまいました。
CMJのマーケットガーデン作戦もプレイされてました。
評価の方は、良好だったようです。
上野戦争は、なぜか、彰義隊が
官軍をおしまくっていたようです。
おまけのおまけ。
サンダー・アット・カッシーノ
感想
最近の付録ゲームの質は、かなり上がったように思います。
少なくとも、一時期のように、「駒を切る値打ちもない」といった
水準のダメさ加減の作品が連発される状況ではなくなったように感じます。
全く無関係とも言い切れない話。
何度も言ってたような気がしますが、シミュレーションゲームで
一番大切なことは、「テーマ意識」です。
テーマといっても「テーマは北アフリカ戦」だの「テーマは第三次ハリコフ戦」と
いった程度では、「テーマ意識」とはいいません。
それですでにテーマとして成り立っていた時代は、アバロンヒル・クラッシックスで
デザインされたゲームが現役だった時代が終わると同時に、終わってしまいました。
現代に通用するシミュレーションゲームには、もっと高い次元での
テーマ意識が必要とされる、と、80年代にはすでに、物の道理のわかる人には
わかっていたのです。
どんなテーマ意識かって?
たとえば「北アフリカ戦を、補給戦という視点から切り取った、グランドキャンペーン」
(つまり、アフリカンギャンビットです)とか、
「第三次ハリコフ戦の全体的な流れを、出来るだけ特殊ルールを入れずに
再現した、入門用ゲーム」(つまり、EPハリコフです)といった具合です。
一言で言えば、「暗算とさいころと、人間が扱える程度の駒と地図で
表現出来る程度まで、現実を抽象するための
明確な基盤が存在しなければならない」のです。
現実のすべてをゲームで扱うなど、どだい不可能な話です。
何かを切り捨てなければ、ゲーム化できるわけがありません。
アバロンヒル・クラッシックスしかシステムが無く、コンポーネントも
予め決まってた時代には、現実を抽象する明確な基盤は
予め定められていて、選択の余地がありませんでした。
不自由ではありますが、古き良き時代です。
今は、そういうわけにいきません。
デザイナーは、どういう視点で現実を見るか
プレイヤーにどの程度の労力を期待するか
すべてを、自ら、決定しなければならないのです。
「ゲームデザインとは、歴史小説を書くことに似ている」というのは
けだし至言でしょう。
歴史小説に、歴史のすべてを盛り込めるはずがないではありませんか。
物語を書く方の歴史観があやふやでは
読まされる方の頭が混乱するのは、当たり前ではありませんか。
年表みたいな無機質な文章では、面白いお話にならないではありませんか。
ゲームだって、同じ事なのです。
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