2021年2月21日ウィリー家例会報告
プレイされたゲーム
- The Korean War(VG)
プレイの内容
この日、izumoto氏を招いてプレイしたのは、The Korean War。数度のルール確認プレイを経て、いよいよキャンペーンの練習プレイです。
izumoto氏北朝鮮軍、当方国連軍でプレイ開始。
北朝鮮軍、第1ターンは鬼のように出目が走る一方、国連軍はほとんど動けない有様。これなら釜山陥落のサドンデスもあるかという立ち上がりとなります。
が、第2ターン、出目の揺り戻しがやってきます。北朝鮮軍は1OPしか獲得できないのを連発したおかげで、国連軍はほぼ全部隊が予定防衛線に退却出来ます。これでサドンデス負けはなかろうと国連軍は高をくくります。
が、続く第3ターン、釜山への浸透を図ると思われる北朝鮮軍の行動に、国連軍は釜山へ防衛部隊をつぎ込みます。が、北朝鮮軍の狙いは釜山以外の都市~特に大邱でした。釜山への浸透と見せかけ大邱を包囲した北朝鮮軍の出目が好調で、大邱が陥落します。さらに、馬山も陥落、馬山は北朝鮮軍から奪回することに成功するものの、国連軍は厳しい戦いを強いられます。
第4ターン、第1海兵師団到着で、国連軍による強襲上陸近しと見た北朝鮮軍は、防衛体制に入ります。各地の上陸可能ヘクスへ師団規模の部隊を送り込み、第1海兵師団を待ち受けます。国連軍はこうなると厳しい。ルール上、Drの結果は1ステップロスで耐えることが出来るので、普通の1個師団が守ってるだけで、そのヘクスを守り切る事が出来るのです。当然のように仁川はがっちり守られ、史実通りの強襲上陸で北朝鮮軍の喉元を脅かすのは不可能。どこか手薄な所はないかと探したら、1カ所だけ、守備隊だけで防衛されてるヘクスが見つかります。そこへ第1海兵師団をたたきつける国連軍。対する北朝鮮軍は急遽予備隊をかき集めて国連軍の橋頭堡を封じにかかります。さすがに第1海兵師団は強力で、海にたたき落とすわけには行きません。後続で第25歩兵師団を国連軍は送り込み、なんとか北朝鮮軍の背後を脅かそうとします。
第5ターン、北朝鮮軍は攻撃を完全に中止、ソウル近郊と大邱方面、そして国連軍橋頭堡を封じることだけに専念します。これをやられると国連軍はきつい。というのも、このゲーム、行動すると部隊が疲労して弱体化するのです。待たれると疲労することなく、強力な部隊を正面から殴る必要に迫られます。側面を脅かそうにも、部隊数が足りない。連隊に分割すれば部隊は生まれるかもしれませんが、それだと部隊が弱体化して北朝鮮軍のエサになるのです。あとは正面から北朝鮮軍を殴って損耗させていくしかない、というところでゲームを打ち切りました。
感想
キャンペーンゲーム、国連軍はかなり厳しい様に感じます。国連軍は、アメリカの動員レベル、国連の関与レベル、そして空軍の交戦規則の3つに縛られます。国連の関与レベルが上がらないと増援は途中で打ち止めになります。アメリカの動員レベルが上がらないと米軍はやってきません。そして、空軍の交戦規則が上がらないと北朝鮮内部の空爆は出来ません。
しかしながら、国連の関与を上げたり、アメリカの動員レベルを高めたり、空軍の交戦規則を緩めたりすると、国際的緊張レベルが上がります。国際的緊張レベルが7になると、第3次世界大戦勃発で国連軍がサドンデス負けするのはまだしも、国際的緊張レベルが1上がるだけで、国連軍は毎ターンVPを5点失います。レベル2なら10点、レベル3なら15点といった具合。これでは国さて緊張レベルが上がる行動をする訳にはいきません。マッカーサーと李承晩みたく、レベル7になる前に北進統一のサドンデスを狙うのなら、緊張レベルを気にせずどんどん関与を上げられるでしょうが、それを狙ったところで中国義勇軍がやってきて阻止されるだけでしょう。
じゃあ緊張レベルが上がらない程度の戦力で、国連軍の戦い方も韓国の防衛一本に絞るとしたらどうなるか?
VPは第2ターンから毎ターン計算します。全12ターンなので、11ターン分VPを稼ぐチャンスがあるということです。国連軍の勝利には168VP必要なので、単純計算すると、毎ターン16VP稼げれば勝てることになります。が、第2ターンには、釜山橋頭堡へ国連軍は押し込められてるでしょうから、大邱が落ちて無くても7VPしか得られません。万が一陥落すれば5VPです。これを第4ターンの強襲上陸でなんとか北朝鮮軍を追いやるととしても、第5ターン以降8ターンで147VP得る必要がある計算になります。単純計算で19VPは稼がねばなりません。ところが、韓国内部のVP都市を全部かき集めても22VPにしかなりません。ソウルを北朝鮮軍が最後まで防衛出来ればそれだけで国連軍は負ける計算になります。
では、北朝鮮軍はどのくらいの戦力なのか? ほぼ毎ターン2個師団が増援でやってくる程度には強力です。ということは、国連軍は2個師団以上の損害を毎ターン与え続けねば北朝鮮軍をすり切ることは出来ないことになります。アメリカ軍は死んでも死んでも補充される特殊能力があるのですが、それ以外の部隊は死んだらそれっきりです。韓国軍は毎ターン1個師団来ればラッキー程度の増援能力しかありません。一番の問題は、北朝鮮軍と国連軍で補給能力が大差ないということ。北朝鮮軍が集中して補給を使えるのに対し、国連軍は橋頭堡の第10軍団と釜山方面の第8軍に補給を分けねばならないのです。ルール上、消費した補給が同数なら北朝鮮軍が主導権を握ります。得られる補給は補給能力がほぼ同数なので、同じ程度です。その結果、主導権は北朝鮮軍に握られっぱなし。これでは国連軍が勝つのは至難の業と言わざるを得ないでしょう。
とはいえ、交戦規則を上げずに北朝鮮軍を韓国から追い出すだけで勝てるゲームにしてしまえば、こんな弱気な奴マッカーサーじゃねえ、と言われることは確実なので、ゲームの演出上38度線を越えて北進する必要があるようにデザインするのは理解出来るのですが、国連軍に北進させるにはあまりに国連軍の北進にリスクが高すぎます。ゲームとして決してつまらないわけではなく、面白いと言えるのですが、バランスはおかしいでしょう。それとも、何か国連軍に、我々が気づいてない素晴らしい作戦でもあるのでしょうか。
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